印紙税法により、契約書や領収書などの課税文書を作成した際には印紙税を納める必要があります。この印紙税を納めるには、課税文書に収入印紙を貼付して消印をすることで納付します。
また、この印紙税は事業税や登録免許税などと同じように「租税公課」の勘定科目で経費にすることができます。
一般的には消印をして使用した時点で経費にするため、収入印紙を購入したまま未使用の段階では「貯蔵品(資産)」の扱いになります。ただし、購入時に一括で租税公課に計上しておき、期末に使用していないものがあれば貯蔵品に切り替えるなどの方法もあります。
いずれにしても、決算時に未使用の収入印紙は経費にしないようにしましょう。
似たようなものに切手がありますが、こちらは郵便料金の費用の支払いになりますので、納税のための収入印紙とは性質が異なります。また、運転免許の更新などで見かける収入証紙もありますが、こちらは各自治体で全廃や一部廃止の方針になってきており、最近はあまり見かけなくなりました。
この収入印紙は郵便局で購入することができますが、1部のコンビニなどでも販売されています。
この印紙税の課税文書には、第1号から第20号まで以下の種類があります。
主に、領収書(金銭の受取書、第17号文書)や契約書、法人成りした際に作成する定款、あるいは役員貸付金などで作成する金銭消費貸借契約書などが該当するかと思います。
事務所(建物)の賃貸借契約書などは不課税文書とされていますが、敷金の金銭受領などの記載がある場合は課税文書になるなど複雑ですのでご注意ください。
印紙税額については、定款などは4万円と高額なものの、一般的な領収書は5万円未満は非課税となっています。平成26年3月31日までに作成されたものについては、3万円未満が非課税とされていましたが、平成26年4月1日から変更になりました。
なので、5万円未満の場合は収入印紙を貼る必要はありませんが、5万円以上100万円以下で「200円」、100万円を超え200万円以下で「400円」の印紙を貼る必要があります。
領収書(売上代金の受取書)の印紙税額
以下、省略。
ちなみに、領収書の消費税については、税抜きで5万円未満の場合は非課税となります。ただし、単に5万円などと記載されていた場合、消費税額分が判然としないため、貼る必要があります。
収入印紙は税金の納付になりますので、課税文書に貼付した上で消印をしておかなければ、ペナルティーとして「過怠税(かたいぜい)」を納めることになります。税務調査が入った際などに貼り忘れの領収書が発覚するケースが多いです。
通常の税金のように加算税や延滞税は課されませんが、過怠税は「当初に納付すべき印紙税の額の3倍」を納めることになるため、延滞税などよりも重いペナルティーになります。
また過怠税は経費にすることができませんが、「本来の額(1倍)」+「過怠税(2倍)」=「3倍」ではなく、「本来の額(1倍)」+「ペナルティー(2倍)」=「過怠税(3倍)」となるため、本来の額も含めて全て経費にすることができません。
例えば、1万円の収入印紙を貼り忘れていた場合、合計で3万円を納付することになり、このすべてが過怠税となり経費にすることができなくなります。ただし、貼り付けていたものの消印を忘れていた場合には、既に貼り付けている分があるため、その同額が過怠税となります。
ちなみに、自主的に不納付を申し出たときの過怠税は3倍ではなく、1.1倍に軽減されます。
ネット上の書き込みを見てみますと、実際には3倍のケースはあまりないようですし、医師や歯科医師、弁護士など収入印紙の貼付を免除されている人もいるようなので、よくわからない税金ではありますが、いずれにしても印紙税法で決まっている以上、課税文書を作成した時点で収入印紙を貼付して消印をしておく必要があります。
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