白色申告の場合は経費を認めてもらえないケースもありますが、青色申告の場合は税務署の裁量で勝手に経費を却下することはできません。申告した経費を拒否するには、その根拠を示す責任が税務署側にあります。
そのため、青色申告の正規の簿記で記帳をしておき、領収書などの書類を保存しておけば、税務署の裁量で勝手に却下される心配がなくなります。正当な経費を確実に計上することを考えた場合、記帳や書類の保存には手間がかかるものの、基本的には青色申告で確定申告しておいた方が安心感があります。
また、税金は自己申告制なので、本来は経費に計上できるものであったとしても、納税者の勘違いで経費に計上していないケースも多々あります。
例えば、交通費や電話代、交際費や会議費など、事業でかかった費用なのに経費に計上し忘れてしまうこともあります。銀行取引などで明細記録が残っているものは計上しやすいですが、自分の財布から現金で払った場合などはうっかりしやすいです。
■出金伝票で間接的な証拠を残す
当サイト運営者の場合、地下鉄はよく仕事で使いますが、毎回領収書をもらうわけにはいかないのでずっと経費には計上しておりませんでした。また、取引先にふるまったジュース代なども領収書をもらえるわけではありません。ほか、香典など領収書をもらうわけにはいかないケースが多々あるかと思います。
けれども、あとから「出金伝票」でも間接的な証拠を残すことで経費に計上できることがわかったのですが、少額であっても数年単位で考えるとわりと大きな金額になります。
「それ経費に計上できるよ。」と誰かが教えてくれることはありませんので、自分で確認して自己申告する必要があります。知ってるか知ってないかだけの違いですので、開業した際にはひととおり確認しておくとよいでしょう。
■按分計算(アンブンケイサン)とは何か?
仕事とプライベートの両方で使っている電気代や電話代などの家事関連費についても、按分計算で経費に計上できるケースが多いです。
例えば、電気代や電話代、自動車(車体、保険、ガソリン代)、インターネットなど、仕事で使っている分もあるとすれば、それぞれの割合で分け、按分計算して経費に計上することができます。だいたい半分ぐらいというのではなく、仕事している時間などの割合から、根拠のある数字を割り出して経費に計上しておくとよいでしょう。
また、電話代などの通信費だったら、個人事業のホームページに電話番号を記載しておくとか、開業届の連絡先に登録しておくとか、実際に業務で使用していて、それがないと仕事にならないアピールをしておくのもよいでしょう。
交際費などについても、上様のような領収書では経費を否認される可能性もあります。きっちりと個人事業名で領収書をもらっておき、否認されることのないように経費に計上しておくことをおすすめします。
■事業主の人件費との兼ね合い
一方で、細かい点まで対応してると時間ばかりがかかり、節税効果よりも自分の人件費の方が高くついてしまうかもしれません。例えば、仮に個人事業主の時給が1万円として、行方不明になった1,000円の領収書を探すのに2〜3時間もかけていたら効率が悪いです。
1,000円の領収書が見つかった際の節税効果が300円だったとして、その300円を得るのに3万円もかけていたら意味がありません。税務署でもそう理不尽な対応はしないはずですので、否認されたらされたときと考え、割り切って対応することも大切かと思います。
ケースバイケースになるとは思いますが、金額が大きくなりそうな場合にはそれなりの証拠を残しておき、その他については効率優先で対応しておくとよいでしょう。
■開業の仕方
┏
┃開業届を税務署に提出しましょう
┃青色申告で開業するのがお得です
┃記帳とは何ですか?
┃個人事業におすすめの会計ソフト
┃クラウド会計マネーフォワードをレビュー
┃会計ソフトで納税額は計算できる?
┃発生主義と現金主義の違い
┃領収書の保存義務があります!
┃個人事業用の銀行口座の開設方法
┃個人事業主向けクレジットカード比較
┗
■個人事業の税金
┏
┃個人事業で納める税金の種類
┃個人事業主が納める税金の実例
┃年収と所得、手取りの違い
┃所得税の税率と計算方法
┃住民税の所得割と均等割の違い
┃個人事業税の計算方法
┃消費税の免税事業者とは?
┃国民健康保険は適用される控除が少ない
┃介護保険料の納付は40歳以上が対象
┃国民健康保険組合(国保組合)とは何か?
┃給与所得者と個人事業主の税金はどっちが高い?
┗
■確定申告の仕方
┏
┃確定申告の提出書類の実例
┃e-Taxで確定申告する方法
┃個人番号カードとは何か?
┃確定申告後の電子納税のやり方
┃還付申告と確定申告の違い
┃所得税の予定納税の還付時期
┃所得控除と税額控除の違い
┃人的控除は「人」に関する所得控除
┃事業所得と雑所得の違い
┃年度と何年分、事業年度の違い
┃家賃や水道光熱費の按分計算とは?
┃事業主貸を返済する必要はない
┃個人事業に顧問税理士は必要?
┗
■ネットでの集客方法
┏
┃個人事業用ホームページの開設方法
┃ネットショップの開業方法
┃個人事業のネットでの集客方法
┃インターネットFAXで開業コストを削減
┗
■個人事業の節税対策
┏
┃所得控除を増やして節税対策
┃小規模企業共済に加入して節税対策
┃国民年金基金は年金額確定の「積立方式」
┃医療費控除の節税効果
┃ふるさと納税は節税になるか?
┃iDeCo(個人型確定拠出年金)とは何か?
┗