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子ども・子育て拠出金とは何か?

以前まで社会保険料の納付書で「児童手当拠出金」が引かれていたかと思いますが、この名称が平成27年4月に「子ども・子育て拠出金」へ変更になっています。

この「子ども・子育て拠出金」は厚生年金や健康保険料とは違い、従業員との折半ではなく、事業主が全額負担するものです。そのため、従業員は負担する必要がありません。

けれども、拠出金の計算をする上では従業員の標準報酬月額、及び標準賞与額に料率をかけて計算します。これは従業員に子供のある・なしに関わらず、厚生年金の被保険者であれば、全員分を算出して事業主が全額負担することになります。

ただし、70歳になれば厚生年金の被保険者からは外れますので、正確には70歳未満の従業員ということになるかと思います。

この拠出金の料率については、平成30年4月の時点で1,000分の2.9(0.29%)となっています。

例えば、給与を29万円支給していた場合、厚生年金保険料の計算の基礎となる標準報酬月額は「29万円以上31万円未満」で30万円になるため、30万円×0.29%で拠出金額は「870円」の計算になります。(※1円未満の端数が出る場合は切り捨て)

当サイト運営者の場合、社会保険の会社負担分と「子ども・子育て拠出金」を合わせて月末に福利厚生費として未払計上しており、翌月に社会保険料の納付書が到着した際にペイジーにて納付しています。

ちなみに、概ね4月分(5月末納期限)から料率が改定されるため、5月末の社会保険料の納付時には計算が合わなくなることが多いです。4月分の「子ども・子育て拠出金」の未払費用については、実際の納付書の金額と計算が違ってくる可能性があるので注意しましょう。

「子ども・子育て拠出金」と児童手当の関係

この「子ども・子育て拠出金」については、以前までは「児童手当拠出金」という名称で納めていたものでした。

以前の納付書の「児童手当拠出金」の名称

つまりは「児童手当」の財源として、事業主側がその1部を負担しているお金になるかと思います。現在、所得制限や子供の人数によって金額には違いがあるものの、中学校卒業まで以下の児童手当が支給されています。

児童手当の金額

この費用負担についてですが、内閣府の「児童手当法の一部を改正する法律の概要」によると以下のように記載されています。

国と地方(都道府県・市町村)の負担割合を、2 : 1 とし、被用者の3歳未満(所得制限額未満)については7/15を事業主の負担とする。(公務員分については所属庁の負担とする。)

つまり、「被用者の3歳未満の児童手当(月額15,000円)」の費用として、事業主がその15分の7を負担する趣旨となっていますので、月額15,000円のうち、7,000円ということになるかと思います。

金額的には、平成29年度の児童手当の給付総額で約2兆2000億円となっていますが、そのうち国と地方で約1兆8000億円を負担しており、事業主負担分が1800億円程度ですので、児童手当の大部分は国と地方が負担している形になっています。

中学修了までで15歳ぐらいかと思いますが、そのうち会社員の子供の3歳ぐらいまでの児童手当については事業主がその半分程度を負担する趣旨なのかと思います。

ちなみに、子ども・子育て支援法の第4条には事業主の責務として以下のように書いてました。

子ども・子育て支援法

(事業主の責務)
第四条 事業主は、その雇用する労働者に係る多様な労働条件の整備その他の労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行うことにより当該労働者の子育ての支援に努めるとともに、国又は地方公共団体が講ずる子ども・子育て支援に協力しなければならない。

つまり、事業主には従業員の雇用環境の整備を整える責任があるから、拠出金については事業主側が全額負担しなさいということなのだろうと思われます。


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