法人決算が個人事業の決算と大きく違う点は、法人税法上の益金と損金の考え方にあります。法人での「益金」は、個人事業での「利益」とは考え方が違っており、会計上の利益から、法人税法上の益金や損金の申告調整をして納税額が出てきます。
個人事業では所得税法で計算するので、会計上の利益から課税所得を算出して税率をかければ納税額が出てきます。
一方、法人決算の場合は法人税法が適用されるため、単に収益から費用を引いて課税所得を出すというのではなく、そこから法人税法上の益金と損金になる部分を調整するプロセスがあるため、何かと面倒くさいです。
個人事業 → 所得税法 →(収益−費用=利益)
法人 → 法人税法 →(益金−損金=所得)
会計上は利益であっても、それが法人税法上、税金の対象になるものとならないものがあるから、それらを調節して申告しましょうねということになります。
また申告書類についても、虫メガネがないと見れないような小さな文字でぎっちり書かれており、専門用語なども多用されているので個人事業よりも難解です。
ただ、ネットや書籍などで調べていけば、自分でも法人の確定申告には対応できるはずです。おそらく、個人事業の確定申告に慣れている方でしたら、最初は戸惑う点が多々あるかもしれませんが、1週間も書類とにらめっこをしていれば、最終的には何とかなるレベルではないかと思われます。
実際に申告する際は、できるだけe-taxを利用して確定申告することをおすすめします。このe-taxを利用して法人税を申告する際の具体的な手順と計算方法については、こちらのページをご参照ください。
→ 法人税の電子申告(e-Tax)の手順
個人事業の確定申告と比較すると、法人決算のハウツー情報はネット上ではあまり見当たりません。また国税局の確定申告コーナーなどの便利な支援サイトもないので、自力で決算に対応するのはある程度は難しいかと思います。もし余力があるようでしたら、税理士にすべてお願いするのも効率的かと思います。
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